絞込みと総合化の事例

前回の「絞込み→総合化」について文字だけではイメージしづらいと思うので、一つ事例を挙げておきたいと思います。
あまり巨大な法人サイトでは参考にならないと思い、手ごろな大きさで実のギュギュッと詰まったおいしいサイトを紹介します(笑)


選んだのは先日カンファレンスで御一緒したうかさんのサイトで
外付けハードディスク使用体験レポート
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実はこのサイト立ち上げ時は、一つの製品のレビュー、しかも数ページ程度で構成されたミニサイトでした。
僕の記憶が確かなら、製品モニターに当選して書いた長編のレビューをブログに埋もれさすのはもったいないと独立させたのが始まりだったと思います。
当初「外付けハードディスク」というPC周辺機器の中からさらに絞り込んだテーマ、しかも得意の「レビュー型」のみという形でした。
2007年の9月に大きなリニューアルを実施され現在の体裁になったのですが、その時解説部分や検索ページを増設されました。絞り込んだテーマは広げずに切り口を増やす総合化ということですね。
少し詳しく見てみましょう。
まるでプロのWEBデザイナーの作ったような美しいデザインが目を引きますが、注目して欲しいのはそこではありません(笑)
まず驚くのはこのサイト全てブログ(たしかMT)で作られているんですね。
ブログを純粋にCMSとして利用した好例だと思います。
多様な形態のコンテンツを詰め込むのはいくらMTとはいえ難しいと思っていましたが、知恵と工夫でここまでできるんだと驚きました。
■ 口コミコンテンツ
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赤く囲んだ部分がメインのレビュー(口コミ)コンテンツです。
サイトへ行ってご覧いただければわかると思いますが、「体験レポート」というタイトルとは裏腹に3つの製品レビューしかありません。
ただし一つ一つは6ページにまたがる長編で非常に中身が濃く、ブログの1ページに200~300字程度で書かれているレビューとは一線を画しています。購買頻度の低い商品(耐久消費財)では短いレビューを何本も上げるより詳細なレビュー1本の方が価値が高い気がします。
しかも、うかさん自身が書いておられるのはその内2つで残りの一つはアフィリエイト仲間のオレンジスカイさんに依頼して書いてもらっています。
投稿型でレビューを集めるというのは珍しくありませんが、こういった本格的なレビューを他者に依頼するという例は個人サイトであまり見た事がありません。
自分で使った事がない製品でも、このように依頼(外注)する、あるいは取材という形でレビューコンテンツを作る事が可能なのですね。ちょっと目からうろこでした。
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さらに左下に「HDD使用レビュー募集中」の文字が見えると思います。
これはブログのコメント機能を利用した投稿型になっています。この辺のアイデアも面白いですね。
■ 解説コンテンツ
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青い囲みが解説コンテンツです。
大きく「基礎知識」と「選び方」の2つのテーマにわかれ、「スタンダード」「ポータブル」「LAN接続(ホームサーバ)」の3つのタイプの違いを主軸に構成されています。
このコンテンツが加えられた事でサイト全体の広告くささはかなり軽減され、サイトとしてのまとまりと信頼が増幅されたように思います。(実際僕もLAN型HDDを買うとき参考にしました)
欲を言えば、実際にHDDの購入を考えている人の視点でまとめると使いやすいかなと思います。
HDDを増設しようと思う動機は「内臓HDの容量不足」と「データの保守」が2大要因ではないでしょうか。
例えば「動画の編集・保存に必要な容量」「RAIDとは」「ミラーリングとスパニング」などの切り口があっても面白いなと思います。「スペックを読み取るための用語解説集」なんかもあればさらに便利ですね。
■ 比較コンテンツ
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緑の囲みは検索・比較コンテンツです。
比較コンテンツは簡単そうで実はものすごく手間の掛かる部分です。
作ること自体は難しくないですが、日々変動する価格の調査や新製品、売り切れを追いかけるというのはものすごい労力がかかります。
プログラミングを使って自動化しないととても手が回らなくなります。
本来は内製した方が後々使い廻しが効いて良いのですが、複数ECの比較となるとプログラミング自体が大変です。
うかさんの場合ご自身もPHPを習得されていますが、あえてフリーのサービス「楽-Yah 」を上手に利用されています。
楽-yahは楽天、Y!ショッピングの検索結果を複合的に得られるサービスでキーワードの指定、価格順などの並び替えができてブログパーツとしてページに貼りこむことが出来ます。
もちろんアフィリエイト対応です。
現在「体験レポート」ではタイプ別、メーカー別の指定しかできない状態ですが、簡単な検索フォームを追加してユーザーが自由に調べられるという風にもできそうです。
無理にMTの中でページを作ろうとせず、この部分だけは独立させてもいいかもしれませんね。
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9月のリニューアル以降このサイトのPVは飛躍的に伸びたそうです。
アクセス解析の数値も見せていただきましたが、特に一人当たりの平均PVが「2.9→6.5」と大幅に伸びています。
普通のサイトではせいぜい3~4PVですからビジターが信頼して読み込んでいる様子が伺えます。
付け加えれば今日現在「外付けハードディスク」のキーワードでGoogleでは2位をYahoo!では6位を獲得されています。
Googleで「外付けハードディスク」を検索
Yahoo!で「外付けハードディスク」を検索
いかがでしょう。
テーマを絞り込み、切り口の総合化&内容を充実すればアフィリエイトサイトであってもこの様にビジターから信頼され、検索エンジンにも好かれるサイトの構築は可能です。
また、オリジナリティが要求される大事な部分には手間と時間ををかけ、それ以外の部分は既存のサービスや自動化を取り入れるなど効率的に作られているのも注目すべき部分です。
これから先サイトをどのような方向に持って行こうと悩まれている方、アフィリエイトサイトではビジターが増えないと思い込んでいる方にとって非常に参考になるサイトではないかと思います。
参考:
外付けハードディスク使用体験レポート
[リニューアル]ページビューが2.7倍に(うかブログ)
サイトの内容を整理する(うかブログ)
※その他リニューアルの様子はうかブログ「ウェブデザインカテゴリ」内に多数アップされています。
買い物検索エンジン 楽-Yah
P.S
うかさん掲載許可ありがとう!

2 thoughts on “絞込みと総合化の事例

  1. ストリバ

    アフィリサイトの最終奥義を解説しちゃったよ・・・。
    まぁ、「奥義」はなかなか真似できないから奥義なんだけど。

  2. a-ki

    簡単にマネされるようじゃ「オーソリティ・サイト」にはなれないよね。
    簡単に真似されないくらいのサイトを作らないと、これからは難しいんじゃないかな。

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